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三脚は重いから今回は家に置いておこう・・・。そうやって何度も現地で後悔してきたフォトグラファーの「はろ」です。
三脚はできるだけ軽く・高く・耐荷重が優れたものをということで三脚沼にハマり続けている僕が今、一番おすすめしたいビデオ三脚「Ulanzi VideoGo」を紹介したいと思います。
実際の使用感まとめ
- ビデオ雲台搭載で縦・横方向に独立した微調整ができる(構図調整で非常に便利)
- 従来製品より圧倒的な安定感の改善あり
- 降り畳み時は想定以上にコンパクトに収まる。携帯性がすごく良い
- クイックリリース対応ヘッド(選択可)を使えばカメラの着脱がストレスフリー
実は僕はこれまで同じくUlanziの三脚「Ulanzi & COMAN ZERO Y」を使っていて、総じて満足感は高いものの、安定感に課題を感じていました。
一方で、今回紹介する「Ulanzi VideoGo」はその欠点が非常によく改善されています。
その他にもモリモリの改善がなされている一方で、価格は「ZERO Y」に大きくかわらず非常にお得。
3万円弱と決して安くはないものの、安物の三脚を短スパンで買い変えるくらいなら、間違いなく買って損は無い製品と言える完成度だと感じます。
「トラベル三脚選びにそろそろ終止符を打ちたい」と感じている方に非常にオススメです!ぜひ本記事を参考に導入を検討してみてください。
Photographer
はろ
月間8万PVのカメラ系ブログを運営。子供撮影の趣味が高じ、副業カメラマンとしても活動しています。ご質問はコメント欄・お問合せ・DM等でお気軽にどうぞ。
カーボン製ビデオ三脚 Ulanzi VideoGo|スペックと外観
Ulanzi(ウランジ)は中国の大手カメラアクセサリー専門メーカー。クイックリリースシステム(F38)や三脚は、良質な品質とコスパの高さが人気で、カメラを趣味にしている方なら一度は耳にしたことがあると思います。
今回紹介する「Ulanzi VideoGo」はビデオ雲台に対応したUlanzi最新のビデオ三脚。自由雲台では調整が難しい「水平や垂直方向に限定した微調整」が軽々と行える便利なアイテムです。
Ulanzi VideoGoのスペック
収納時コンパクトさ・自重に対する対荷重のスペックはこの三脚の最大の魅力。耐荷重は5kg(雲台ネック)に対して重量(1.4kg)は、一般的にみても非常に優れた性能です。
スペック項目 | Ulanzi VideoGo(TT09) |
---|---|
価格 | アルカスイスモデル:29,999円 F38対応モデル:35,999円 Ulanzi Clawモデル:33,999円 (公式サイトで割引あり) |
高さレンジ | 13cm〜146cm |
重量 | 1.4kg(カーボン製) |
対荷重 | 三脚:20kg|雲台:5kg ミラーレス一眼と大砲レンズでもOK |
収納時のサイズ | 収納高:45cm(国内線機内持ち込みOK) 直径:500mlペットボトル相当 |
開脚角度 | 3段階(22°・55°・85°) |
クリックリリースシステム | アルカスイス・F38・Ulanzi Claw(選択可) |
付属品 | 三脚収納ケース・ステンレス製石突*3 |
なお、雲台のクイックリリースシステムはアルカスイスをベースに、F38・Ulanzi Clawに対応したモデルもラインナップされており、購入時に選択することができます。
僕は撮影機材のほぼすべてに、F38クイックリリースシステムを導入しているため、今回はF38ヘッドのモデルを選択しました!
F38クイックリリースシステムは廉価に導入できる着脱システムとして非常にオススメできる製品。初めて目にする方はぜひ以下の記事を一読してみてくださいね。
Ulanzi VideoGoの外観とインプレッション
雲台が三脚部に埋め込まれる独特の形状により、折り畳み時の長さが非常に抑えられています。
他の三脚との大きな差別化ポイントは径の細さ。500mlペットボトルとほぼ同じ細さで、収納がすごくしやすい形状になっています。
質感は非常に良好で、自由雲台やパン・チルト方向の旋回は非常に滑らかで心地いいですね。
チルト方向は(多少のテンションですが)カウンターが搭載されていて、多少手荒な操作を行っても滑らかなカメラコントロールが実現できます。
グリップの効くゴム性になっており質感は良好。長期的に使用した際の消耗具合は気になるところですが、これはもうしばらく使用した中で気づきがあれば共有していきたいと思います。
自由雲台の角度は手元のレバーで調整が可能。ノブ式は手元が見えない際に操作がしづらいので、デザイン含めてとても気が利いていますね。
ちなみに、自由雲台はエレベーターの伸縮次第で調整角度が異なります。ポールを伸ばさない際は20°程度の微調整が可能で、さらにポールを伸ばすと360°の回転が可能となります。
逆にいれば、縦構図にする際には雲台を毎度すこし上げる必要があるので、ちょっと手間ではありますね
水準器も付いているので、垂直水平のチェックはこちらから行います。
5段脚の伸縮をコントロールするロックはレバー式。ナットロック式と異なり展開・収納を素早く行うことができます。締め忘れが目視で確認できる点もメリットですね。
開脚角度は脚の付け根のスイッチを押し込むことで3段階の調整が可能。初期展開角度(22°)は「Ulanzi & COMAN ZERO Y」よりもやや広く改善されていて、すごく安定感を感じます。
センターポールを分離すると、以下のように最低13cmからのローアングル撮影が可能になります。これができるので、ミニ三脚はグッと減りましたね。
センターポールの分離は六角レンチ(ハンドル部に隠されている)が必要となります。
六角レンチはその他ネジ類はハンドルに隠されています。ハンドル自体がドライバーとして使用することができる面白いギミックですね。
三脚の最大高は146cm。アイレベルとまでは言えないものの、身長177cmの僕の首元あたりの高さまで稼いでくれます。
Ulanzi VideoGo レビュー|実際に使用して感じたメリット
ここからは「Ulanzi VideoGo」をしばらく使用した中で感じたよかった点を紹介していきます。序章でも紹介した通り、使用感はこれまで僕が使用してきたどの三脚よりも優れていて、すっかり愛用の三脚となっています。
プライベートで使用するのであれば、スペックや利便性は十分以上。軽量さも相まって理想的な三脚だと感じますね
水平・垂直方向の微調整が非常に快適
一般的な自由雲台の三脚は、一度決めた構図から微調整をしたい際に水平と垂直を独立して調整することができないことがデメリット。
この点に対して「Ulanzi VideoGo」は自由雲台とビデオ三脚が組み合わせとなっているため、垂直方向と水平方向をを独立して調整できるためすごく使い勝手がよいですね。
ちなみに、ハンドル部を取り外すことができるため(ハンドルが無くてもチルト独立操作は可能)、スチルメインの方などハンドルが不要の方は取り外して運用するのもよさそうです。
安定感が改善されハンドル操作時もブレは気にならない
「Ulanzi VideoGo」は一般的なトラベル三脚とは異なり、センターポールを伸縮式とすることで直径を最小限に抑えています。
この点「Ulanzi & COMAN ZERO Y」では、センターポールがやや細く、最大まで伸ばした際に安定感が欠けるシーンがあったのですが、「Ulanzi VideoGo」では安定性とコンパクトさを両立できるように改善されています。
実際に両者の比較をしたものがこちら(1枚目:VideoGo|2枚目:ZeroY)。脚の付け根の間隔が広がり、センターポールが太く改良され、デフォルト開脚角度が広く調整されています。
脚自体も真横からの圧力に対しても強く、不意な接触で三脚が転倒するといったリスクは最小限に抑えられていますね。
移動や徒歩が多い撮影でも気軽に持ち運べる携帯性
「Ulanzi & COMAN ZERO Y」同様に「Ulanzi VideoGo」の最大の魅力にとして感じる点がコンパクトさ。
折り畳み時の高さは、国内線の機内持ち込みサイズに対応した45cm。加えて直径が500mlペットボトルに相当する細さとなっています。
一般的に三脚をカメラバッグのサイドポケット(ドリンクホルダー)に差し込もうとすると、全ての脚が入り切らずひと工夫が必要となりますが、「Ulanzi VideoGo」であればペットボトルと同じように気兼ねなく差し込むことができます。
この快適さを知ってしまうともう元には戻れませんね〜
小型化を進める三脚メーカーは星の数ほどあれど、直径にこだわりをもったカメラメーカーはごく僅か。シームレスに撮影する上でも収納のしやすさはすごく恩恵が大きいと感じます。
F38クイックリリースシステムとの連動は非常に便利
今回僕が導入したのはヘッド部がF38クイックリリースシステムに対応したモデル。
「Ulanzi & COMAN ZERO Y」はアルカスイス対応のヘッドにしていたものの、結局今はカメラ機材のほぼ全てにF38対応のプレートをつけていることから、今回はF38ヘッドを取り入れてみました。
ワンタッチでカメラを着脱できるスピード感を得られることはもちろん、手元の操作が不安定になる冬場の撮影でも簡単に操作を行うことができる点はメリットですね。
アルカスイスだとノブの締めが緩く機材が落下するようなリスクがあるため、クイックリリースにしてから安心して手元作業ができるようになりました
その他にも自宅撮影において、三脚・ミニ三脚・俯瞰アームなど固定機材にフレキシブルにカメラを付け替えていく上でも、F38の三脚ヘッドは非常に活躍してくれています。
以上、ここまでが「Ulanzi VideoGo」を使用した中で感じたメリット面でした。
Ulanzi VideoGo レビュー|購入前にチェックしておきたいデメリット
どんないい製品にもデメリット(懸念点)はつきもの。ここでは気になる点についても触れていきたいと思う。とはいえ、実際に使用して感じたのは以下1点のみ。
縦構図の切り替えはやや手間が掛かる
「Ulanzi VideoGo」の自由雲台は切り込みが入っていて、この切り込みに合わせて雲台を倒すことで縦構図で撮影することができるのですが、切り込みが一つのみのため、縦構図にする際に倒せる方向に制約が伴います。
実は「Ulanzi & COMAN ZERO Y」では切り込みがサイド2箇所に存在したため、右側・左側どちらにも雲台を倒すことができたのですが、「Ulanzi VideoGo」ではなぜか片側方向のみしか倒すことができなくなっています。
さらに言えば、縦構図にするためにはセンターポールを伸ばす必要があり、これらの要因が重なってスピード感が欠けると感じますね。
とはいえ、どの三脚においても縦構図と横構図の切り替えは億劫さを伴いますので、シームレスに行いたい方は、回転式の三脚座を導入するのが手っ取り早いと思います。
Ulanzi TT09 VideoGoとUlanzi & COMAN ZERO Yの違い
ここまでしばしば「Ulanzi & COMAN ZERO Y」との違いについて触れてきましたが、ここで改めて差分をまとめておきたいと思います。
なお「Ulanzi & COMAN ZERO Y」は僕も長らく愛用してきた三脚で、軽さと高さにおいては「Ulanzi VideoGo」よりも優れています。使用感はこちらのこちらのレビュー記事をチェックしてみてください。
具体的なスペック差分は以下の通り。高さと軽さはZeroYが優位で、その他はVideoGoが基本的に優れていると言えます。
スペック項目 | Ulanzi TT09 VideoGo | Ulanzi & COMAN ZERO Y |
---|---|---|
価格 | アルカスイスモデル:29,999円 F38対応モデル:35,999円 Ulanzi Clawモデル:33,999円 (公式サイトで割引あり) | 3万円程度 (公式サイトで割引あり) |
高さレンジ | 13cm〜146cm | 15.3cm〜156.7cm |
重量 | 1.4kg | 1.1kg |
雲台 | 自由雲台+ビデオ雲台 | 自由雲台のみ |
対荷重 | 三脚:20kg|雲台:5kg | 三脚:18kg|雲台:5kg |
収納高 | 45cm | 42.3cm |
開脚角度 | 3段階(22°・55°・85°) | 3段階(20°・55°・75°) |
脚の段数 | 5段 | 同左 |
材質 | カーボン+アルミ合金 | 同左 |
クリックリリースシステム | アルカスイス・F38・Ulanzi Claw(選択可) | 同左 |
その他 | 安定性の改善あり | ー |
結論、個人的には「Ulanzi VideoGo」がオススメ。10cmの高さの違いがあれど、アイレベルでの撮影には大きな体感差は感じません。
重量差はたしかにあるものの、それ以上に画角の微調整のしやすさ・安定感はそれ以上の価値と取れ高をもたらしてくれます。
価格もほぼ変わらないのも大きなポイントですね
三脚選びは多少予算を割いてストレスのないモデルを選ぶことが大事
三脚は用途に合わせてベストなモデルを選ぶべきですが、「Ulanzi VideoGo」に関してはトラベル用途においてほぼ完璧な性能と携帯性を兼ね揃えた三脚だと感じます。
何より「Ulanzi & COMAN ZERO Y」の発売を経て、課題として上がった安定性が大幅に改善されているのが大変嬉しいポイント。その他にも嬉しいポイントがモリモリの三脚でした。
実際の使用感まとめ
- ビデオ雲台搭載で縦・横方向に独立した微調整ができる(構図調整で非常に便利)
- 従来製品より圧倒的な安定感の改善あり
- 降り畳み時は想定以上にコンパクトに収まる。携帯性がすごく良い
- クイックリリース対応ヘッド(選択可)を使えばカメラの着脱がストレスフリー
値段こそ決して安いものではありませんが、それ以上の撮影モチベーションと取れ高をもたらせてくれる三脚です。
安物買いの銭失いを何度も繰り返してきた僕の主観ではありますが、ぜひ一度この快適さを試してもらえれば幸いです。