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一眼カメラを買ったからには、スマホでは撮れない様な大きくボケた写真を撮ってみたいですよね
一般的には、F値(絞り値)を下げればボケると記載があるものの、
- 勝手にF値が変わって困惑したり
- F値を下げてもボケなかったり
など、ボケとF値の関係性がよくわからなくなってしまう方も少なくないかと思います
実はカメラ初心者のころの僕も、F値でつまづいて挫折しそうになった一人でした
そこで今回は、F値(絞り値)とは?といった初歩的な解説から、シーン別のおすすめ設定まで紹介したいと思います
しっかり内容を把握できれば、実際の撮影シーンでF値設定の目安を思い返すことができるかと思いますので、ぜひ参考にしてください
\ 気になる内容をチェックしよう /
Photographer
はろ
月間8万PVのカメラ系ブログを運営。子供撮影の趣味が高じ、副業カメラマンとしても活動しています。ご質問はコメント欄・お問合せ・DM等でお気軽にどうぞ。
F値(絞り値)とは
F値とは、レンズに取り込む光の量を表す指標です。F値の「F」は「Focal(焦点)」の頭文字で、日本語では「絞り値」と呼ばれています
レンズには光を取り込む穴の大きさを調節する「絞り羽」というものが付いていて、ここの開き具合を示すのがF値となります
そして、F値の数字が小さいほど、レンズはたくさんの光を取り込むことができ、また副次的に大きなボケ感を出せるようになります
レンズ中央部の穴の大きさに注目!
逆に、F値の数字が大きいほど、レンズは光を取り込まず、ボケが小さく全体にピントが合うようになります
F値はボケの大きさ・明るさに影響する
さて、F値(絞り値)は「明るさ(取り込む光の量)・ボケの大きさ」に影響すると説明しましたが、実際にどのくらい違うものなのでしょうか?
ここでは、実際の写真を用いてF値を変えることによる明るさやボケの違いを紹介します
ぜひ、肌身で違いを感じ取っていただければと思います!
F値比較|ボケ感の違い
ここでは、F値を変えることによるボケ感の違いを紹介します。以下の写真は左がF16、右側がF4で撮影したものです
後ろの植物を比較してみてください。明らかにF1.8(右)の方が背景がぼけていますよね
左:F16 / 右:F4
この様にF値を小さくすると写真は大きくボケます。細かい理屈はさておき、F値を小さくするとピントが合う範囲が狭くなると覚えておくのがおすすめです
また、ボケの大きさはスマホの様な小さな画面でも一目瞭然の違いを生んでくれますので、ボケを出したい方はぜひF値を低くして撮影してみましょう
F値以外にもボケの量を変える要素がある
場合によっては「F値を小さくしても思うほどボケないシーン」もあるため、ここで紹介します
例えば、以下の写真のりんごとテーブル面のように、背景と被写体の距離が近い場合は、どれだけF値を小さくしてもほとんどボケは生まれません
F値を低くして、ピントが合う範囲が狭くても、撮りたい物とボカしたい物の距離が近いと、結局どちらにもピントが合ってしまうからですね
このようにボケの大きさは距離にも大きく依存します。F値や距離の使い方など、ボケをコントロールするテクニックについては、以下の記事で詳しく紹介していますので、参考にしてください
F値比較|明るさ
F値を変えると、レンズを通してカメラに取り込まれる光量が変わります。そのため、映し出す「写真の明るさ」にも大きく影響を与えます
- F値を小さくする:写真は明るくなる
- F値を大きくする:写真は暗くなる
撮影モードをマニュアルモード(M)にして、F値を変えると写真が明るくなったり、暗くなるかと思います
一見面倒に見えますが楽をする方法もあります
明るさが変わってしまうと調整が面倒に感じるかもしれませんが、撮影モード次第(Aモード)では自動で補正してくれるため、初心者の方は具体的な値までは把握する必要はありません
撮影モードについては、次の章で紹介します
一方で、マニュアルモードでは自分で明るさを調整しなければいけないので、興味がある方はぜひ具体的な光量の違いもチェックしてみてください
F値を大きくするとレンズの開口部が狭くなるため、光の取込量が小さくなります。実際にどのくらい光量が落ちるかを以下の画像にまとめてみました
たとえば、F2.0とF4.0は、数字こそ2.0程度の差分しかないのですが、実は取り込む光の量は4倍も違います
この計算方法は、実際にシャッタースピードやISO感度で明るさを調整する際に役立ちます。F値を2倍(2段と呼ばれます)にしたら、シャッタースピードは1/4遅くするといった感じです
F値を変えるならまずは絞り優先(Aモード)から
ここまではF値の概要について紹介してきましたが「じゃあどうやってF値を変えるの?」と言う点が気になりますよね
F値を自分の好みに変更できるカメラ設定は色々ありますが、特に便利な撮影モードが「Aモード(絞り優先モード)」です
絞り優先モード:メーカーによって「A・Av」モードと記載されています
Aモードをつかえば、F値を変えることで本来変わってしまう明るさを一定に保つことができます
絞り優先モード(Aモード)の仕組み
絞り優先モードは、F値と明るさを一定の値に固定できる撮影モードです。カメラは指定されたF値と明るさになるように、シャッタースピードを調節します
- 明るさの基準(露光量)を選ぶ:露光量0など(0は基準で-3〜+3まで設定できます)
- F値を選ぶ:F1.8など
- 1・2の内容に従ってカメラは自動で明るさを調節
露光量はダイヤルまたはメニューから指定
本来なら、F値を変えると明るさが変わってしまうのですが、明るさを一定に保つことができるので、撮影時にとても楽なモードです!
絞り優先モードではブレに注意
とても便利な絞り優先モードですが、
F値を大きくしたときは、手ぶれに注意
が必要です
暗い撮影シーンやF値を大きくして光を取り込める量が少なくなると、カメラは光量を稼ぐためにシャッタースピードが遅くなるため、手振れや被写体ブレが発生することがあります
- (環境やF値設定により)写真が暗くなる
- シャッタースピードを遅くして明るさを稼ぐ
- シャッタースピードが遅いので手ぶれにつながる
暗いときは「F値を小さくする・ISO感度を上げる」ことで明るさを確保しましょう
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手振れ・被写体ブレが発生する条件については、こちらを参考にしてください
おすすめF値|撮影シーン別
ここからは、実践的なF値の紹介ということで撮影シーン別におすすめのF値(絞り値)を紹介します
多少細かい粒度での紹介となりますが、初心者の方はまず以下の様な考え方で撮影してみると良いでしょう
僕自身も厳密に設定値を決め打ちしているのではなく、ざっくりと上記の様な考え方で設定しています
考え方について紹介したところで、以降では撮影シーン別のおすすめF値(絞り値)を紹介します
F値 2.8以下|おすすめ撮影シーン
F値 2.8以下は、明るく・大きなボケ感を演出することができるため、被写体を際立てたり、暗い撮影シーンに強いです
F2.8以下の主な撮影シーン
- 人物撮影(ポートレート)
- 動く被写体(子供・動物・スポーツ)
- スナップ(花・モノ)
- 周辺環境が暗いシーン(屋内・日没後・夜景)
人物撮影(ポートレート)
F2.8以下は、背景や前景に大きなボケ感を出すことができるため、被写体を強調する撮影にぴったりです
ボケが大きいので、パッと見でも被写体がよく目立ちますよね
動く被写体(子供・動物・スポーツ)
光量が落ちない分、シャッタースピードを速く設定しやすいので、動きの速い動物やスポーツの撮影でも安心して使うことができます
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動く被写体を撮る際にブレずに撮るコツについては、ぜひこちらの記事を参考にしてください
スナップ(花・モノ)
気軽にテンポ良く撮影したいスナップ撮影では、細かい設定を気にせずに撮影できるF値 2.8以下は相性がいいですね
花は案外風で大きく揺れるので、シャッタースピードを結構早め(1/200程度)にしておくのがおすすめです
周辺環境が暗いシーン(屋内・日没後・夜景)
周辺環境が暗い場合は、シャッタースピードが落ちやすく、手ぶれしがちですのでF値は最小に設定するのがおすすめです
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F値の下限値はレンズのスペックに依存
なお、F値の下限値はレンズによって決まるため、もしかするとみなさんのお使いのレンズではF2.8以下に設定することができない場合があります
特にカメラと一緒についてくるキットズームレンズでは、F3.5が下限値のことが多いです
なお、ズームレンズは一般的にF値の下限値が大きいものが多いため、大きなボケや夜間での撮影に合わせて「F値の小さな単焦点レンズ」を検討されてみるといいかと思います
各カメラメーカーがF1.8スタートの明るいレンズ(撒き餌レンズ)を用意しています。安いものだと2万円程度で買えるので、ぜひチェックしてみてください
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以下の記事では、各メーカーのコスパ最高の単焦点レンズ(撒き餌レンズ)を紹介しています。詳しく知りたい方は参考にしてください
F3.5〜F5|おすすめ撮影シーン
F3.5〜5の領域は、正直を言うと意図的に設定する人は少ないかと思います。僕の場合は、レンズスペックの都合でどうしても下限値がF3.5~F5となる場合に、致し方なく撮影することが多いです
(あまりないですが)F2.8のようなトロトロのボケ感よりは、F3.5程度の方が少しソリッドなボケ感になるため、背景の情報を多少残したい場合は、F3~5あたりまでF値を絞る場合もあります
F3.5-5の主な撮影シーン
- レンズのスペック上、最小F値がF3.5~5となるとき
- ボケ感をあえて落としたいとき
全体にピントが合わず、違和感を感じるときは多少F値を上げることがありますね
F5.6〜F8|おすすめ撮影シーン
F5.6~F8は、全体にピントを合わせて撮影する時によく使うF値です。また、レンズの解像度を最も引き出すことができるため、被写体全体をしっかり見せたい時によく使われるF値です
F5.6~F8はレンズのスイートスポットとも呼ばれるくらいで、にじみが減って解像度が良くなるんですよ
F5.6-8の主な撮影シーン
- 全体にピントを合わせたいとき(集合写真・物撮り)
- 解像感を高めて撮影したいとき(物撮り・風景・建築物)
全体にピントを合わせたいとき(集合写真・物撮り)
複数の被写体にピントを合わせたい時など、ピントずれを意図的に無くしたいときは、F値をF5.6~F8程度まで上げて撮影するのがおすすめです
ピントが合う範囲が広がるので、全体にピントが合いやすくなります
また、近接撮影ほどピント面が薄く感じられるので、全体に合わせたいときはF値を大きくしましょう
以下の写真はF2.8で撮影していますが、ケーキの先端にしかピントが合っていないですよね
解像感を高めて撮影したいとき(物撮り・風景・建築物)
レンズの特性上、解像感を最も引き出してくれるF5.6〜F8は風景や建築物の撮影にぴったりです
F10以上|おすすめ撮影シーン
F10以上はすこし特殊な撮影シーンで活躍するF値レンジです
F5.6-8の主な撮影シーン
- スローシャッター撮影をするとき
- マクロ撮影で全体にピントを合わせたい時
- 光芒を出したい時
スローシャッター撮影をする時
被写体の軌跡を写真に残す「スローシャッター撮影」では、意図的にシャッタースピードを遅くする必要があるため、どうしても写真が明るくなってしまいます
そこで、F値を大きくして明るさを調節するために、F値を10以上にする場合もあります
マクロ撮影で全体にピントを合わせたい時
近接撮影になればなるほど、ピント面が薄くシビアになります
そのため、マクロレンズで被写体に寄って撮影するときはF値をピントが合うまで大きくする必要があるため、結果的にF10以上で撮影することも珍しくありません
この写真はF11まで絞っていますが、それでも背景がボケるくらいにピントが薄くなっています
光芒を出したい時
F値を絞った状態で、小さくて強い光を画角に入れると、トゲトゲとした光の線(光芒)を出すことができます
写真のアクセントになるので、太陽や照明など、強い光を見つけたらぜひチャレンジしてみてください!
まとめ:F値設定は自由!だけどざっくりとした特徴は覚えておこう
今回は、F値(しぼり値)の特徴とおすすめ設定について紹介しました
特にF値を小さくした撮影は簡単に大きなボケ感を出すことができますし、初心者の方でも比較的チャレンジしやすいかと思います
ぜひAモードとF値最小でボケ感のある写真を撮ってみてください!
ボケの大きな写真を撮れると、プロみたいな写真が撮れたような気がして心が躍りますよ!
以下の記事では、ボケを大きくして撮る以外の方法も含め、カメラ初心者の方におすすめのカメラの使い方を紹介しています。ぜひチェックしてみてください
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