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カメラの世界に足を踏み出すと、必ず耳にするのが「35mm換算(フルサイズ換算)」
実はカメラはセンサーの大きさによって写る範囲が違うため、カメラの規格によらず同じ尺度で写る広さを示すために用いられています
このレンズは90度の範囲まで写ります〜といったように、画角を定量化する指標です!
何やら取っ付きづらい用語ですが、「35mm換算(フルサイズ換算)」というキーワードは、レンズのスペック表などにも用いられるため、将来的にはどこかで理解しなければ行けない時が来ます
そこでこの記事では「35mm換算(フルサイズ換算)」という言葉を全く聞きなれない方を対象に、わかりやすく「35mm換算をする必要性や具体的な変換方法」を紹介します
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はろ
月間8万PVのカメラ系ブログを運営。子供撮影の趣味が高じ、副業カメラマンとしても活動しています。ご質問はコメント欄・お問合せ・DM等でお気軽にどうぞ。
この記事の結論
35mm換算(フルサイズ換算)は原理は複雑ですが、計算方法はすごくシンプル。お使いのカメラのセンサーサイズに応じて以下の通りに焦点距離を掛け算するだけです
\ フルサイズ換算の一覧表/
センサーサイズ | フルサイズ換算後の焦点距離 |
フルサイズ | 補正なし (50mmなら50mmのまま) |
APS-C (Canon以外) | 1.5倍に補正 (50mmなら75mm) |
APS-C (Canon) | 1.6倍に補正 (50mmなら80mm) |
マイクロフォーサーズ | 2倍に補正 (50mmなら100mm) |
特にこれから新しくレンズを買おうと考えている人にむけて、自分が欲しかったレンズとは違うものを買うことにならないためにも、35mm換算(フルサイズ換算)を理解する助けになれば幸いです
\ 気になる内容をチェックしよう /
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はろ
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35mm換算・フルサイズ換算をする理由
35mm換算のやり方をすぐに確認したい方は、こちらからジャンプできます
35mm換算(フルサイズ換算)のやり方を解説する前に、なぜ「35mm換算・フルサイズ換算」が必要なのかについて簡単に解説します
結論ファーストで記載すると以下のようになります
以下の表で、お使いのカメラ機種(シリーズ)に該当するセンサーサイズが確認できます
センサーサイズ | Canon | Nikon | Sony | FUJIFILM | Panasonic | OLYMPUS |
フルサイズ | EOS Rシリーズ EOS Dシリーズ | Z一桁シリーズ (Z7など) Dシリーズ FX (D600/700/800番台など) | α1・α7・α9 シリーズ | – | DC-Sシリーズ | |
APS-C | EOS Kiss Mシリーズ EOS Mシリーズ EOS Kiss Xシリーズ | Z二桁シリーズ Dシリーズ DX (D四桁シリーズ全般など) | α6000シリーズ (6400・α6600など) | Xシリーズ全般 (X-T4など) | – | – |
マイクロ フォーサーズ | – | – | – | – | DC-Gシリーズ DMC-Gシリーズ | 全機種 |
センサーサイズの一つであるフルサイズ(35mm)規格の撮影範囲で表すとこのくらいの広さが写るよ。といった指標です
なぜセンサーサイズが違うと写る範囲が変わるのか?
サイズが大きいセンサーの方が受光できる面積が広いため、物理的に同じレンズを使った場合でも大きなセンサーサイズの方が広い範囲を記録することができます
\ 黄色い部分が写せる範囲を示しています /
レンズには、それぞれ焦点距離に応じて写せる範囲が決まっています(下図の青枠:イメージサークルと呼ばれます)
そして、カメラはレンズを通して受けた光を記録するもので、イメージサークルの範囲からセンサーサイズの大きさ部の部分だけの光を切り取るイメージとなります
この際に、大きなセンサーは広い範囲・小さなセンサーは狭い範囲を記録(撮影)することになります
そのため、センサーサイズの大きなフルサイズカメラは、同じレンズを使っても広い範囲が写ると言うことになります
これが、同じレンズを使っていても異なる画角となる理由です
とはいえ、このように同じレンズを使っても写る範囲がバラバラでは、レンズを選ぶ際にどの範囲まで写すことができるのかを把握するのが難しいですよね
そこで、レンズを選びの際にセンサーサイズを気にせずに写る範囲を一律の尺度で表現するために「35mm換算・フルサイズ換算」が使われます
センサーサイズが違っても同じ尺度で写る広さを示すことができるので、僕たちユーザーとしてもわかりやすいですよね!
換算の基準はフルサイズ(35mm)センサー
名前を見ての通り、フルサイズ換算(35mm換算)はフルサイズセンサーを基準とするため、フルサイズ以外のセンサーは換算が必要になります
具体的な方法は次の章で紹介しますが、フルサイズ換算(35mm換算)を行うことで、一律の基準で写る広さを表すことができるようになります
35mm換算・フルサイズ換算のやり方
35mm換算(フルサイズ換算)の必要性について学んだところで、次に具体的な変換の方法を確認してみましょう
やることはすごくシンプルで、お使いのカメラのセンサーサイズに応じて以下の通りに焦点距離を掛け算するだけです
\ フルサイズ換算の一覧表/
センサーサイズ | フルサイズ換算後の焦点距離 |
フルサイズ | 補正なし (50mmなら50mmのまま) |
APS-C (Canon以外) | 1.5倍に補正 (50mmなら75mm) |
APS-C (Canon) | 1.6倍に補正 (50mmなら80mm) |
マイクロフォーサーズ | 2倍に補正 (50mmなら100mm) |
CanonのAPS-Cは他メーカーと計算が異なるので注意が必要です!
なお、ここで言う「焦点距離」がレンズで写せる範囲を示していて、焦点距離の数字が大きければより望遠気味に、小さければより広角気味な写りをするという意味合いになります
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「35mm換算(フルサイズ換算)」と併せて理解しておきたい「焦点距離」について、以下の記事で紹介しています。本記事の内容をよりスムーズに理解いただくためにも事前にチェックされることをオススメします
35mm換算・フルサイズ換算の補正値はどこからくるの?
先ほど紹介した通り、APS-Cやマイクロフォーサーズのカメラでは、フルサイズ換算時に焦点距離を1.5〜2倍で補正する必要があるとお伝えしました。ただ、この補正値はどこからくるのかが気になりますよね
結論から言うと、APS-Cやマイクロフォーサーズでは狭い範囲に切り取られるため、以下のように調整した値が補正値となります
補正値 = フルサイズで同じ画角を実現するために必要な焦点距離
イメージで理解しましょう
\ りんごが写る範囲に注目! /
そして、APS-Cやマイクロフォーサーズと同じ画角にするためには、先ほど紹介した1.5〜2倍の焦点距離補正が必要となります
原理を覚えておくと記憶に残りやすいかと思います!
35mm換算・フルサイズ換算をして写る範囲の感覚を掴もう
そして、換算後の焦点距離を用れば「これは広角レンズ、これは望遠レンズ、これは標準レンズ」といった具合で、写る広さを一般化することができます
なお、画角域とフルサイズ換算後の焦点距離の関係は以下の通りです
画角域 | フルサイズ換算後の焦点距離 |
超広角域 | ~20mm |
広角域 | ~35mm |
標準域 | 35~65mm |
中望遠域 | 70mm~ |
望遠域 | 200mm〜 |
明確な基準は無いものの、一般論として上記のような傾向があります。慣れると焦点距離を聞いただけで、望遠なのか広角なのか、標準なのかがわかるようになりますよ
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標準レンズは目で見た範囲に近い画角ですが、広角レンズ・望遠レンズについてはどのような写りになるのか、あまり馴染みのない方もいらっしゃるかと思います
以下の記事では実例付きで広角・望遠レンズの写り方やメリット・デメリットについて解説していますので興味があればチェックしてみてください
まとめ:フルサイズ換算(35mm換算)を理解してレンズ選びを楽しもう
今回は、はじめての方にもわかりやすいように35mm換算・フルサイズ換算について解説させていただきました
焦点距離という言葉自体に慣れない方もいらっしゃるので、少し難しく聞こえたかもしれませんが、要は異なるカメラでも同じ基準で写る範囲を示す指標として使われるものになります
正直、このレンズは〇〜〇度までの範囲が写ります!と言ってくれた方がわかりやすいですよね・・・
フルサイズ換算(35mm換算)ができれば、将来的にレンズ選びをする際にどのような範囲まで写すことができるレンズのなのかを一目で判断できるようになりますので、ぜひみなさんもマスターしてみてくださいね
\ 気になる内容をチェックしよう /
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