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皆さんこんにちは。フォトグラファーの「はろ(@haroharo72)」です。
今回は、2020年の発売からずっと愛用している「Tamron 70-180mm F/2.8 Di III VXD (Model A056)」について長期レビューをお送りしたいと思います。
このレンズは僕としても沢山の思い入れと信頼感のあるレンズ。ポートレートや風景撮影など撮影の仕事でも頻繁に使用し、更にはプライベートでは子供の運動会やスナップ撮影まで幅広く活躍してくれています。
また、2023年10月にEマウントでは第二世代(G2)レンズが発売されましたが、僕自身としては今回紹介する第一世代レンズに不満をほぼ感じたことがありません。それほどに完成度の高いレンズですね。
実際の使用感まとめ
- F2.8通し・ハーフマクロ対応のため、暗所・寄り引きの縛りが少なく便利
- 遠征でも気兼ねなく持ち運べるサイズ感は大きなアドバンテージ
- やや短い望遠端180mm(一般的には200mm)は実用面で気にならない
- 最新モデル同等のAF機構を搭載。AFは高速かつ正確で信頼できる
- 欠点:描写は全般的に美しいが、前ボケの表現がやや気になる
第一世代と第二世代(G2)のどちらを選ぶか検討している方に、この記事から「Tamron 70-180mm F/2.8 Di III VXD (Model A056)」の魅力を改めて伝えたいと思います。
コスパで考えるなら第一世代がおすすめです!
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Photographer
はろ
月間8万PVのカメラ系ブログを運営。子供撮影の趣味が高じ、副業カメラマンとしても活動しています。ご質問はコメント欄・お問合せ・DM等でお気軽にどうぞ。
Tamron 70-180mm F/2.8 Di III VXD (Model A056)|スペック・外観
そもそもF2.8通しの望遠ズームレンズは、他のレンズの中でも高嶺の花のような存在ですよね。実際にSONY純正の望遠ズーム(FE 70-200mm F2.8 GM OSS II)の価格は30万円とめっちゃ高いです。
一方で「70-180mm F/2.8 Di III VXD」は、10万円台前半の価格と非常にリーズナブル。F2.8通し望遠ズームレンズの敷居をぐっと下げてくれるSONYユーザーには大変ありがたい存在です。
レンズスペック
このレンズの特徴のひとつが望遠端が180mmとやや短いこと。これによって望遠ズームレンズとしてはかなりコンパクトな設計が可能になっています。
また、ハーフマクロ相当まで寄れる点も特徴で、持ち運びやすさと撮り回しのしやすさには他レンズを寄せ付けない魅力がありますね。
レンズスペック | 70-180mm F/2.8 Di III VXD |
---|---|
焦点距離 | 70〜180mm |
F値(最小〜最大) | F2.8〜F22 |
絞り羽根枚数 | 11枚 |
レンズ構成 | 14群19枚 |
フィルター径 | 67mm |
重さ | 810g |
最大径 × 長さ | 81 × 149 mm |
最短撮影距離 | 0.27m(AF)|0.85m(MF) |
最大撮像倍率 | 0.5倍(AF)|0.22倍(MF) |
レンズ内手ぶれ補正 | なし |
防塵防滴 | 防滴のみ |
レンズの外観と操作感
外観はタムロンらしいマットな見た目が特徴的。最近のモデルはクビレのある鏡筒となっていますが、このレンズは旧モデルのシュッとした形状となっています。
望遠ズームレンズにしてはサイズが非常に小さく、実際にSONY純正の70-200mm F2.8レンズと比較するとサイズ感の違いは明らかですね。
ズームリングは非常に操作感にこだわって作られていて、軽く滑らかに回転するズームリングが心地いいですね。
1/3周程度回すだけで70-180mmのズームワークがコントロールできるのも考えられた設計だと感じます。
移動時にズームリングが伸びないためのズームロックスイッチも備わっています。これがあるとないとでは動き回りながらの撮影時のストレスが大きく違いますよ。
Eマウントではメジャーなフィルター径67mmに対応。他レンズとNDフィルターを共用しやすく非常に重宝します。
Tamron 70-180mm F/2.8 Di III VXD (Model A056)|実際に撮影した作例
具体的なレビューに入る前に「70-180mm F/2.8 Di III VXD」を実際に使用した作例をご覧いただければと思います。
全てRAW現像を行っていますが、マクロ撮影・ポトレ・スナップ・風景など、撮影シーンと被写体を選ばず気兼ねなく撮影できる点を感じていただければと思います。
115mm f4.0 1/160s ISO200
99mm f2.8 1/320s ISO400
139mm f2.8 1/320s ISO500
180mm f3.5 1/320s ISO100
139mm f2.8 1/800s ISO100
106mm f4.0 1/400s ISO400
180mm f4.0 1/800s ISO100
180mm f8.0 1/320s ISO100
180mm f4.5 1/800s ISO640
180mm f2.8 1/125s ISO1600
180mm f2.8 1/10s ISO1000
こちらのRAW現像では、僕が作ったプリセット「Haro ALL in ONE Collection」を使用しています。ノージャンルで撮影を楽しむ方に向けた10種類のオリジナルプリセットですので、興味があればチェックしてみてください。
Tamron 70-180mm F/2.8 Di III VXDレビュー|僕が愛用し続けるメリット(長所)
「Tamron 70-180mm F/2.8 Di III VXD (Model A056)」のメリットは「不満なく使えて10万円前半で買える唯一のF2.8通しの望遠ズームレンズ」という言葉で簡単に表すことができてしまいます。
純正・サードパーティレンズ、どこを見渡しても、この価格帯で勝負できるライバルが居ないほどに異常なコスパを誇るレンズです!
僕の写真ライフにおいて大活躍してくれている「Tamron 70-180mm F/2.8 Di III VXD」について、ここではその魅力を詳しく紹介していこうと思います。
望遠域による独特な表現力と美しい描写
この写真は「Tamron 70-180mm F/2.8 Di III VXD」の望遠端(180mm)で撮影した写真のひとつ。
望遠域であるほどに得られやすくなる大きなボケ感と圧縮効果は、肉眼と写真間のギャップを簡単に作り出すことができます。これは僕が望遠レンズを使う最大の理由です。
一般的に描写が甘くなりやすい「絞り開放&望遠端(180mm)」でも解像感は非常に良好。被写体のリアリティさを十分に引き出してくれます。
玉ボケや後ろボケも滑らか。背景を綺麗に分離し、主題にスポットライトを当てる役割を果たしてくれますね。
旧来のタムロンレンズに見られた暖色寄りの色味は無く、純正レンズと組み合わせて撮影しやすいサードパーティレンズと感じます。解像感も申し分なく、描写に対する満足度は非常に高いですね。
抜群の近接性能とF2.8通しの使い勝手の良さ
近接撮影を得意とするTamron。なんと「70-180mm F/2.8 Di III VXD」は(マニュアルAFのみだが)広角端でハーフマクロ撮影ができます。
焦点距離70mmで撮れるハーフマクロは、歪みが少なく被写体本来の形状をありのままに表現させてくれますよ。
一般的にレンズは望遠になるほど近くのものを撮りにくくなるのですが、「70-180mm F/2.8 Di III VXD」はレンズ交換をせずとも手元の撮影から超望遠までの範囲をカバーできてしまいます。
このメリットはSONY純正レンズや他のサードパーティレンズにでは得られない最大のメリットのひとつだと感じている。
遠征でも気兼ねなく持ち運べるサイズ感
望遠ズームに携帯性を求めるべきでは無いのですが、電車移動や徒歩時間が長い撮影では、できるだけ荷物は軽く・小さくしたいのが人間の性ですよね。
その点「70-180mm F/2.8 Di III VXD」は望遠端を180mmに抑えたこともあり、感覚的には標準ズームレンズが若干大きくなった程度の大きさ・重量となっています。
比較項目 | Tamron | SONY |
---|---|---|
レンズ名称 (略称) | 70-180mm F/2.8 Di III VXD | 70-200mm F2.8 GM OSS II |
大きさ (最大径・長さ) | 81 × 149mm | 88 × 220mm |
重さ | 810g | 1045g |
SONYのコンパクトなボディと相性も非常に良く、レンズを装着したままカメラバッグに収納することも容易。いい意味で望遠らしくないカジュアルさを持ち合わせていますよ。
ちなみにこのショルダーバッグは僕がプライベートでカメラを持ち運ぶ際に愛用しているもので、以下の記事で詳しくレビューしています。気になる方はぜひチェックしてみてくださいね。
余談ですが、コンパクトなズームレンズとしては以前紹介した「28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD (Model A071)」の方が「70-180mm F/2.8 Di III VXD」よりもやや小さな筐体に収まっています。
描写は若干の甘いものの、圧倒的なズーム域の広さを誇る「28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD 」も併せて検討してみることをオススメします。
抜群のAF性能はSONY純正レンズに見劣りしないほど
結論として、このレンズのAFへの信頼度は非常に高く、純正レンズとの体感上の違いは全く無いと言って良いほどAF性能は優秀だと感じます。
その理由のひとつが「70-180mm F/2.8 Di III VXD」に採用されているVXDと呼ばれるAFシステム。
現行最新モデルにも使用されているタムロン最新鋭の技術で、感覚的にはSONY純正レンズのAFとほぼ遜色のないレベルと感じます。
旧来のAFシステムはAF-Sが非常にモタつく印象がありましたが、ちょうどこのレンズを境目として新AFシステムが搭載されたこともあり、劇的にAF性能が良くなっていますよ。
タムロンのレンズ選びの際にはVXDに対応しているのかどうかはひとつのポイントになると思います!
F2.8通しの望遠ズームが10万円台前半で買える圧倒的な価格
Eマウントで2020年に発売された際に価格を聞いて驚いた人は多いはず。僕もその一人で、直ぐに予約をしてこのレンズをゲットしたほどです。
それから約3年が経つ今においても、価格でまともに勝負できるライバルレンズは出てこないほどで、圧倒的なコスパを誇るレンズとなっています。
以上が、僕が「70-180mm F/2.8 Di III VXD」を愛用する主な理由でした。
Tamron 70-180mm F/2.8 Di III VXDレビュー|デメリット(欠点)
ここまで「70-180mm F/2.8 Di III VXD」の魅力について語ってきましたが、個人的には非常に惜しいなと感じる欠点面もあります。
価格やメリット面を比較すれば、重箱の隅を突いている気持ちになりますが、購入前にぜひ参考にしていただいた上で判断してもらえればと思います。
描写は全般的に美しいが、前ボケの表現のみがやや気になる
描写に関してはそう総じて満足感の高い「70-180mm F/2.8 Di III VXD」ですが、前ボケの表現だけは個人的には好みの感じではなく、その点が気になる方はいらっしゃるかもしれません。
やや滲む・バンディングが発生したように見えるボケ方になる場合がしばしばあり、色の濃い被写体を前ボケとした場合には違和感を感じることがありますね。
(完璧に比較できたわけではないのですが)他のレンズでこのような違和感を感じることが無いため、このレンズ特有の個性なのだと感じています。
とはいえ、コスパ・その他の描写・AF面には一切の不満がないほどにクオリティが高く、特にボケ味までこだわらない方にとっては最高のアイテムになると思います。
三脚座が標準で付属しない
一般的に70-200mmレベルの望遠ズームレンズには三脚座が付属することが多いのですが、「70-180mm F/2.8 Di III VXD」には標準で付属しません。
手持ち撮影をする上では三脚座は不要ですが、三脚撮影ではマウント部に強い圧力がかかり続けるため三脚座は用意しておいた方が良いかと思います。
雲台によってはフロントヘビーに耐えられず、構図調整に手間がかかる可能性もあるかと思います
タムロンからは「70-180mm F/2.8 Di III VXD」に対応する三脚座は発売されていないため、必要な場合にはサードパーティ製の三脚座を用意する必要があります。
なお、以下の三脚座は(サードパーティ製ではありますが)縦構図との切り替えも容易で非常に便利ですね。
Tamron 70-180mm F/2.8 Di III VXDがおすすめな人
軽量さも相まって、スナップ・風景・ポートレート・自然など、被写体を選ばないのがこのレンズの魅力。
純正の望遠ズームレンズに強いこだわりがないのであれば、基本的にコスパ重視の方全てに「70-180mm F/2.8 Di III VXD」はおすすめできます。
EマウントやZマウントであれば、純正レンズとズームリングの回転方向が同じため、純正のズームレンズと組み合わせて使った際にも違和感なく使える点も後押しできる理由のひとつですね。
Tamron 70-180mm F/2.8とG2どちらがおすすめ?
第一世代の発売からわずか3年、Eマウントで2023年10月に発売された第二世代レンズ「Tamron 70-180mm F/2.8 Di III VC VXD G2」。両者のレンズで悩む人は多いかと思います。
結論として、動画撮影の用途が多い方を除けば、第一世代のレンズがコスパ的には優れていると僕は感じています。
初代モデルとの大きな違いは、レンズ内手ぶれ補正・最大撮像倍率0.38倍までAFでも寄れるようになった点。
その他、独自のファクションボタン割り当てが可能となるTAMRON Lens Utilityにも対応し、全ズーム域での画質改善が図られています。
レンズスペック | (第一世代) 70-180mm F/2.8 Di III VXD | (第二世代) 70-180mm F/2.8 Di III VC VXD G2 |
---|---|---|
発売年月 | 2020年5月 | 2023年10月 |
実売価格 | 12万円 | 15万円 |
焦点距離 | 70〜180mm | 70〜180mm |
開放F値 | F2.8 | F2.8 |
フィルター径 | 67mm | 67mm |
重さ | 810g | 855g |
最大径 × 長さ | 81 × 149 mm | 83 × 156.5 mm |
最短撮影距離(広角端) | 0.27m(MF)|0.85m(AF) | 0.3m(MF/AF) |
最大撮像倍率(広角端) | 0.5倍(MF)|0.22倍(AF) | 0.38倍(MF/AF) |
AF機構 | VXD | VXD |
レンズ内手ぶれ補正 | なし | あり |
TAMRON Lens Utility | 非対応 | 対応 |
防塵防滴 | 防滴対応 | 防滴対応 |
一方で、AF機構は第一世代と同じ機構が採用されており、実質的な違いはありません。
その他、第一世代ではMFでハーフマクロ撮影が可能であったが、第二世代では最大撮像倍率がやや低くなっている点は地味にデグレしていますね。
両レンズの価格差は3万円程度。サイズ感もやや大きくなっていることから、僕としては既に完成度の十分に高い第一世代レンズを使い続けたいと考えています。
まとめ:第二世代へ乗り換えるモチベーションが湧かないほどに完成度の高いレンズ
今回はEマウントやZマウントで最高のコスパを誇る「Tamron 70-180mm F/2.8 Di III VXD (Model A056)」についてレビューさせていただきました。
描写性能・近接性能・AFなど、どれを取っても非常に高いレベルであり、第二世代(G2)との比較においても写真用途においてはほぼ遜色がないほどの完成度の高さを感じます。
実際の使用感まとめ
- F2.8通し・ハーフマクロ対応のため、暗所・寄り引きの縛りが少なく便利
- 遠征でも気兼ねなく持ち運べるサイズ感は大きなアドバンテージ
- やや短い望遠端180mm(一般的には200mm)は実用面で気にならない
- 最新モデル同等のAF機構を搭載。AFは高速かつ正確で信頼できる
- 欠点:描写は全般的に美しいが、前ボケの表現がやや気になる
第一世代と第二世代(G2)との価格差は3万円程度ではありますが、中古市場に多く流通することが想定され、さらに「Tamron 70-180mm F/2.8 Di III VXD (Model A056)」はお得な選択肢になるかと思います。。
中古を含めてぜひコスパ良く、大三元望遠ズームレンズの世界に飛び込んでいただければと思います!
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当ブログでは、SONY機材を中心に各種レビューを行っています。以下の記事では、巷で神レンズと呼ばれるSONY Eマウントの単焦点・ズームレンズを紹介しています。お気に入りの一本を見極める参考にしてみてください。
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