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皆さんこんにちは。フォトグラファーの「はろ(@haroharo72)」です。
ボディを買うよりも写真の見た目を大きく左右するのは実はレンズ。
レンズの画角次第では、普段僕たちが肉眼で見ることができない世界を映し出すことができ、写真に大きなアクセントを加えることができるんですよね。
たぶん多くの人は、はじめに標準域のズームレンズを買って、次は広角?望遠?どっちに行こうかなー?と考え始めるんじゃないでしょうか。
そこで今回は、これから広角レンズ・望遠レンズに新たにチャレンジしてみたいと考えている方に向けて、それぞれのレンズの特徴、メリット・デメリット、撮影のコツを紹介したいと思います。
レンズの癖を見抜いて写真が撮れているか。これは初心者と中級者を明確にわかる分岐点のように僕は考えています。
そもそも、なんとなーくレンズを買うと結局自分の需要に合わなくて、文字通りお蔵入りになるなんてこともあり得ますので、ぜひこの記事を参考にしてレンズ選びに役立ててもらえればなーと思います。
Photographer
はろ
月間8万PVのカメラ系ブログを運営。子供撮影の趣味が高じ、副業カメラマンとしても活動しています。ご質問はコメント欄・お問合せ・DM等でお気軽にどうぞ。
そもそもレンズにはどんな種類があるの?
レンズは「映し出せる範囲の広さ(画角)」に応じて、大きくは「広角・標準・望遠レンズ」の3種類に分類されます。これは比較的よく聞くところなのでイメージはしやすいと思います。
画角の広さは「焦点距離」という指標で表すことができるので、ぜひ以下の表を参考にして覚えてみてください。
項目 | 広角レンズ | 標準レンズ | 望遠レンズ |
---|---|---|---|
撮影範囲の印象 | 肉眼より広い | 肉眼と差が小さい | 肉眼より狭い |
焦点距離 | 〜35mm | 35〜60mm | 60mm〜 |
イメージするとこんな感じ。高倍率のズームレンズだと広角から望遠まで1本のレンズにまとまっていることもありますね。
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焦点距離とレンズの画角の話は以下の記事でもう少し踏み込んで紹介していますので、ぜひご参考に。
実際に写真で違いを感じてみよう
違いを実感しやすいように定点から「広角・標準・望遠」それぞれのレンズで写真を撮ってみました。下のタブを切り替えると画像が切り替わりますので、ポチポチ押してみてください。
撮影設定・カメラ位置を固定し、画角だけを変更(広角)
撮影設定・カメラ位置を固定し、画角だけを変更します
撮影設定・カメラ位置を固定し、画角だけを変更(望遠)
あー、広いなー、狭いなーといった直感的なところの他にも、ちょっと違和感を感じたりしませんか?・・・しない?
実は四隅の歪みや奥行き感に違いが出ているんです。広角は歪みが大きく、奥行きを感じる。望遠は歪みが少ないけど、奥行き感が小さい。
わかりやすいようなわかりにくような表ですが、各画角の違いをまとめてみました。広角と望遠は相反する関係なのが結構面白いですよね。
項目 | 広角レンズ | 標準レンズ | 望遠レンズ |
---|---|---|---|
画角の広さ | 肉眼より広い | 肉眼に近い | 肉眼より狭い |
奥行き感 | 出やすい | 中間 | 出しづらい |
ボケ感 | 小さい | 中間 | 大きい |
歪みの出やすさ | 歪みやすい | 中間 | 歪まない |
手振れ耐性 | 強い | 中間 | 弱い |
寄りやすさ | 寄れる | 中間 | 寄れない |
レンズの長さ | 短い | 中間 | 長い |
まぁ物理的な違いはここまでにして、実際に広角レンズや望遠レンズを使うと、どんなメリットやデメリットがあるのかを知りたいですよね。ということで次のパートでまとめていきます!
広角レンズのメリット・デメリット
ではまず広角レンズから、広角レンズは肉眼よりも広い範囲を映し出すことができるレンズでしたよね。
焦点距離の目安はフルサイズ換算で35mm以下と言われています。さらに広い範囲を写すことができるレンズを「超広角レンズ」とも呼びます。
項目 | 超広角レンズ | 広角レンズ |
---|---|---|
焦点距離の目安 | 20mm以下 | 35mm以下 |
撮影ジャンル例 | 風景・星空 建物・ポートレート | スナップ・建物 ポートレート |
焦点距離については、厳密な目安は存在しないのですが、一般論として35mmが一つの基準となると思います。
広角レンズのメリット①:大きな被写体を写真に収めることができる
風景・建物・空などのスケールの大きな被写体や、室内全体を写真に収めたい場合には広角レンズがすごく活躍します。
距離を取らなくても広い範囲の背景情報を取り込めるため、広い風景の中に人がポツンと配置されている(所謂ポツン構図)構図を撮ることができます。
ポツン構図の例
広角レンズのメリット②:パースを活かしたダイナミックな表現ができる
広角レンズは、四隅に向かって画像が流れるように見えるため、これを活かしてダイナミックな写真を撮ることができます。
さらに奥にあるものは小さく・近くのものは大きく見える特徴を活かして、リーディングライン(視線誘導)を作るのも面白い表現方法の一つです。
建物や風景でダイナミックな表現ができる
四隅からリーディングラインを作った作例
広角レンズのメリット③:動画撮影で使いやすい
動画にまで目線を広げると広角レンズはほぼ必須アイテムというくらいに重要なアイテムになります。
その理由が手ぶれ。手持ち撮影時の手ブレは実は広角になればなるほど目立ちづらくなります。YoutubeやVLOGなどで手持ち撮影の機会がそこそこありそうだということであれば、広角レンズは持っておいた方がいいですね。
広角レンズのデメリット①:背景への映り込みに最大限の工夫が必要
ここからは広角レンズのデメリットを。広角レンズは広い範囲を写せる反面、余計な情報が入ってきやすく、雑然な写真となる傾向があります。
背景を取捨選択し、整理するスキルが必要になるため、ここが初心者の方にはちょっとおすすめしづらい一つの理由だと感じます。
広角レンズのデメリット②:ボケ感を得られにくい
あとはデメリットというかは微妙ですが、広角レンズは標準レンズや望遠レンズと比べてボケが小さくなります。
F4固定で比較|左:35mm(広角)/ 右:66mm
同じ距離感・F値で撮影しても、焦点距離が短いレンズのほうがボケない特性があります
F4通しのレンズなど、比較的最小F値が大きな広角レンズではボケが小さく、スマホと見た目が大きく変わらないような印象を持たれるかもしれません。
一方で、F1.8のように大口径の広角レンズであれば、比較的十分なボケ感を得ることができるかと思います
広角レンズのデメリット③:被写体が歪みやすい
広角レンズは被写体との距離をちょっと離しただけで、被写体が非常に小さく映ることになります。そのため、被写体に近づいて撮影することが一般的ですが、その際に被写体が歪みやすくなります。
歪みは撮影する距離に依存するため、広角レンズは歪みが起きやすいレンズと言えます
歪みの発生を極力減らすためには、以下の2つを心がけましょう。
- 被写体を中央に配置する
- 可能な限り離れて撮影する
とはいえ、これは広角特有のダイナミックな表現と裏腹となりますので、ピシッと真っ直ぐ撮りたい場合は望遠レンズをチョイスすると良いかと思います。
特にポートレートでは顔を中心に配置するのがおすすめです
ここまでが広角レンズのメリット・デメリットの紹介でした。お次は望遠レンズについて特徴を紹介します
望遠レンズの特徴まとめ
望遠レンズは、肉眼よりも狭い範囲を画質の劣化を起こすことなく映し出すことができるレンズです。
焦点距離の目安はフルサイズ換算で70mm以上と言われています。標準域(50mm)に近い画角のレンズを「中望遠レンズ」、さらにズームができるレンズを「超望遠レンズ」と呼びます。
中望遠レンズ | 超望遠レンズ | |
---|---|---|
焦点距離の目安 | 70mm以上 | 200mm以上 |
代表的撮影ジャンル | スナップ・ポートレート ・商品撮影など | スポーツ・飛行機・野鳥・動物・風景 |
メリット①:ボケが大きい・主題の明確化が簡単
狭い領域を拡大して映し出すことができる望遠レンズは、肉眼で見える範囲よりも情報量がスリムになるため、必然的に主題を明確にしやすくなります。
また、光学の原理としてレンズの焦点距離が大きくなるほどボケ感が大きくなることや、「圧縮効果」と呼ばれる奥行きが潰れて見える現象が起きるため、これらが相まって被写体をさらに強調することができます。
焦点距離85mmで撮影
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実はボケ感は被写体の距離感などにも依存します。ボケの仕組みについて体系的に詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてみてください。
望遠レンズのメリット②:背景整理も簡単
写真の中に世界観を作る上で、余計な写り込みはできるだけ避けたいですよね。
観光地での撮影など、多くの人が訪れる場所では人が居なくなるまで長時間粘った経験を持つ方も少なくなりかと思います
望遠レンズは狭い範囲を切り取るため、写り込みが入りにくく、またボケ感が大きくなることから、ボツ写真となるリスクを最小限にしてくれる点で大きなメリットがあります。
背景整理のしやすさが段違いで楽です
望遠レンズのメリット③:歪みを抑えた写真が撮れる
これは特に商品撮影などの物撮りやポートレート撮影で受けるメリットですが、望遠レンズは距離を開けて撮っても被写体が小さくならないため、被写体を歪めずに撮ることができます。
当ブログのサムネイルは焦点距離100mm程度にして離れて撮影しています
物理的に被写体に近いところから撮るほど、被写体は歪んで見えるため、一般的に商品撮影の現場では望遠レンズが使われることが多いですよ。
距離感と被写体の歪みの特徴については、こちらの動画で詳しく解説されていますので、ぜひチェックしてみてください。
望遠レンズのデメリット①:手振れが目立ちやすい
中望遠、そして超望遠になるほど狭い範囲を切り取るため、多少の手振れが目立つようになります。
手ぶれ自体はシャッタースピードを速めに設定することで回避できますが、暗い撮影シーンなどでシャッタースピードを速くするためには、ISO感度を上げざるを得ないので、写真にノイズが乗りやすくなります。
手ぶれのリスクとノイズのトレードオフを迫られるので、僕は暗いシーンではあまり望遠レンズを使わないようにしています
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シャッタースピードとISO感度の関係性について、詳しく理解したい方はぜひこちらの記事をチェックしてみてください。
望遠レンズのデメリット②:被写体と距離(離角)が必要
望遠レンズは被写体を大きく写すことができる反面、余白を持たせた写真を撮ろうとすると離れた位置から撮影する必要があります。
そのため、ポートレート撮影では被写体との声のコミュニケーションが取りづらくなることや、通行量の多い場所では周囲の一般の方への配慮も増えてしまいます。
お子さんの撮影では特に注意が必要ですね
僕の場合は、子供をワンオペで撮影する場合は周囲への配慮が欠ける(危ない)ので、望遠レンズは使わずに標準レンズを使うようにしています
ポートレート撮影では、中望遠レンズ(焦点距離100mmまで)程度に留めておき、被写体とのコミュニケーションを最低限取れる機材選びをすることをおすすめします。
一方、風景撮影・野鳥・動物・花の撮影など、コミュニケーションを必要としない撮影では特にデメリットはないため、用途に応じて焦点距離をチョイスしましょう。
野鳥や動物はむしろ距離を取ったほうが撮りやすいです
望遠レンズのデメリット③:レンズが大きい・重い
焦点距離が長いレンズ=レンズが長いレンズとなるため、どうしてもサイズ感と重さが依存して肥大します。
旅行などの歩き回る撮影では、レンズを持ち運ぶと肩や腰への負担が大きいため、いつでもどこでも持ち運べるというわけにはいかない点には注意しましょう。
車移動など、移動中の負担が気にならない方は特にデメリットにはならないと思います
焦点距離500mmだと小さくてもこの位のサイズ感になります
また、運動会や飛行機、野鳥撮影などの定点からの撮影がメインの場合は、重さの軽減のために三脚を用意すると良いですよ。この際、三脚の耐荷重はしっかりとチェックしておきましょう。
広角レンズと望遠レンズのどっちがおすすめ?
特に多くの人はカメラと一緒に標準ズームレンズを購入して撮影していると思います。標準ズームレンズは確かに便利なのですが、便利すぎるが故に普通。なんですよね。
ということで次に広角?望遠?といった選択になりがちなのですが、僕としては望遠レンズをおすすめします。
その理由が、望遠レンズは主題を明確にしやすく、結構撮っていて自分でも満足がいく写真が撮りやすい傾向があるから。
上手く撮れるレンズのほうがレンズを使用する頻度も増えて、写真の面白さに気づく機会も増える。これが僕が初心者の方に望遠レンズをおすすめする理由です。
焦点距離70-200mmの望遠ズームがおすすめ
ただその一方で、あまりにも焦点距離が長いレンズをチョイスすると、サイズ感が大きくなり過ぎてしまいがち。重すぎるとカジュアルな撮影ではなかなか使いづらくなってしまいますよね。
ということで僕としては、初めの一本としては焦点距離70-200mm程度の望遠ズームレンズから始めてみると良いかと思います。
ちょうどいいバランス感で写真がめちゃくちゃ楽しくなりますよ。とくにコスパがいいレンズとしてはタムロンの70-180mm F2.8。
望遠ズームとは思えない程の大きさと10万円程度で買えるコスパの良さがおすすめのズームレンズです。
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SONY Eマウントのおすすめレンズを以下の記事にまとめています。コスパ重視で単焦点・ズームレンズをピックアップしていますので、ぜひ参考にしてください。
まとめ:焦点距離の特徴を理解しワンランク上の表現を身につけよう
今回は、広角・望遠レンズそれぞれの特徴(メリット・デメリット)・撮影のコツについて解説しました。改めて特徴をまとめると以下のようになります。
皆さんの新しい気づきのきっかけになれば嬉しく思います!
広角・望遠レンズは多少扱いが難しい点がありますが、扱いに慣れてしまえば非日常的な表現ができるため、他の写真との差別化やバリエーションの改善につなげることができます。
運動会や結婚式など、一時的な使用を控えている方は、レンズレンタルなども活用するとお得に使えますので、ぜひこちらも試してみてください。
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まずは実際に使ってみて、少しずつ感覚と経験を身につけていただければ幸いです
当ブログでは、SONY機材を中心に各種レビューを行っています。以下の記事では、巷で神レンズと呼ばれるSONY Eマウントの単焦点・ズームレンズを紹介しています。お気に入りの一本を見極める参考にしてみてください。
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