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皆さんこんにちは。フォトグラファーの「はろ(@haroharo72)」です。
SONYを除く主要カメラメーカーが対応するCFexpressカード TypeBの値下がりを横目に、中々に値下がりの傾向が見えないTypeAを買い控えている方は多いと思う。
そんな中で彗星の如くCFexpressカード TypeAの価格競争に火をつけた役者が、今回紹介するPERGEARのCFexpressカードだ。
容量260GBモデルを例にとると、カードリーダー付きで2万円台で買える。Amazonで見る限りこの価格はサードパーティを含め、2023年10月時点で最安の価格だ。
今回縁あって、PERGEAR様より製品提供をいただいたため、PERGEAR CFexpress TypeAおよびCFexpressリーダーの使用感について紹介していく。
使って感じた点まとめ
- バッファ滞留要因で連写が遅延することがなく、安心して連写を活用することができる。
- 現像ソフトでのプレビューがサクサクで、写真選定時のストレスを全く感じない。
- 廉価な価格に対して欠点らしき点を感じることは無く、何ら不満なく使用できる。
- 専用リーダーが必要。PCのUSBポートを1つ占有する点は妥協が必要。
カードリーダー付きでのこの価格帯で買えるのであれば、正直SDカードの高速モデルを新調することとコスト観点では大差がない。
CFexpressカードに元々興味があったが価格ネックで買い控えていた方は、ぜひこの記事を参考に購入を検討してみてほしい。
- CFexpressカードに元々興味があったが価格ネックで買い控えていた方
- 連写時のバッファ時間(タイムラグ)にストレスを感じている
- S&Qスロー撮影等、4Kハイフレーム撮影に対応するメモリーカードを探している
- PCへのデータ転送の待ち時間の短縮・プレビュー表示を高速化したい
Photographer
はろ
月間8万PVのカメラ系ブログを運営。子供撮影の趣味が高じ、副業カメラマンとしても活動しています。ご質問はコメント欄・お問合せ・DM等でお気軽にどうぞ。
SONYユーザーが悩みどころ|CFexpress TypeAを取り巻く環境
SONYが採用するCFexpressカード(TypeA)は、TypeBと比べてもサイズが小さくコンパクト。当然コンパクト思考のSONY機との相性が良い。
一方で、CFexpressカードがSONY α7SIIIとして初めて採用された2020年以降、市場にはSONYのTOUGHシリーズ・ProGrade DigitalのCOBALTの2種類のみがサポートする状況が続き、価格が割高な状況が続いていた。
比較項目 | PERGEAR | SONY | ProGrade |
---|---|---|---|
カードの外観 | PERGEAR 260GB | SONY 160GB | ProGrade 160GB |
容量 | 260GB | 160GB | 160GB |
価格 (1GBあたりの価格) | 26,300円 (101円) | 44,000円 (275円) | 38,000円 (237円) |
最大読み込み速度 | 880MB/秒 | 700MB/秒 | 700MB/秒 |
最大書き込み速度 | 900MB/秒 | 800MB/秒 | 800MB/秒 |
最低書き込み速度 | 400MB/秒 | 明記なし | 明記なし |
保証期間 | 5年間 | 5年間 | 3年間 |
そんな中、2023年6月に新たにCFexpressカード(TypeA)市場に参入したのがPERGEAR。PERGEARはViltrox、Godox、Zhiyun等、カメラ好きなら一度は聞いたことがあるであろう大手中華系カメラアイテムを扱う販売代理店だ。
なんといっても魅力はコスパの高さ。他メーカーが平気で3万円を超えてくる中、260GBモデルとカードリーダーが付属で3万円を切るほどの価格。
読み書き速度も先行2社を上回る内容となっており、最低書き込み速度を明記していることから、品質面に対する自信もうかがえる。5年間の製品保証も付属し、万全のサポート体制だ。
PERGEAR CFexpress TypeA・カードリーダーの外観
今回紹介するのは、PERGEAR CFexpress TypeAとカードリーダーのセットだ。利便性を損なわないようにメーカーとしての工夫が見える点が多々見受けられたため、ぜひ一緒にチェックしてほしい。
CFexpressカード(TypeA)の外観
CFexpressカード(TypeA)すべてに共通することだが、SDカードに慣れている人ほどTypeAカードのコンパクトなサイズ感に驚くと思う。
実際にSDカードと比較してみると一回り小さい。厚みはSDカードより多少分厚い程度だ。
PERGEAR CFexpress TypeAには、表面・裏面ともに放熱効率が高い金属製のカバーがあしらわれている。動作の安定性を保つための工夫点なのだろう。
CFexpress+SD対応カードリーダーの外観
CFexpressに対応するカードリーダーの一般的な相場は1万円程度。
これもまた導入ハードルを引き上げる要因の一つになるのだが、PERGEARのカードリーダーはCFexpressカード単体購入価格+4千円程度と非常にリーズナブルにゲットすることができる。
リーダーには2つのポートが用意されており、CFexpressとSDカードを指すことができる。同時に読み込むことはできないが、1つのUSBポートを消費するリーダーにおいてマルチで使用できる点はありがたい。
PCと接続するUSB端子は、Type-CとType-Aの両方に対応。空きポートの状況に応じて柔軟に使い分けることができる。
カード同様にリーダーにおいても表面が金属製が採用されており、放熱を考慮した作りになっている。
見た目の話はここまでとして、以降では実際にPERGEAR CFexpress TypeAを使用して感じたインプレッションについて紹介していく。
PERGEAR CFexpress TypeAレビュー|実際に使用して感じたメリット・デメリット
この記事を読んでいる人の多くが、割安な価格に対するデメリットがなかったのか?という点が気になると思う。
結論、PERGEAR CFexpress TypeAを使用してそのように感じることはなく、CFexpressカードのメリットを思う存分享受できる素晴らしいカードだと感じる。その点についていくつか具体的に紹介していく。
高速連写時の遅延が発生しないため安心して連写ができる
いくらカメラのボディが高速連写に対応しているとはいえ、そのデータを記録するメモリーカードが高速な書き込みに対応することができなければ、カメラ性能の真価を発揮することはできない。
僕は普段からSONY α7IV(3,300万画素)を使用しているのだが、低速なSDカード(最大速度100MB/秒未満など)を使用した場合は、連写に対して書き込みが追従できず連写が遅くなる事象に遭遇する。
一方でPERGEAR CFexpress TypeAを使った場合は、RAW+JPEG(最高画質)を書き込んだ場合でも連写速度が落ちる事象が全く起きない。
尚且つ、連写後のバッファ消化スピードも非常に早く、連写後すぐに撮影を再開できることから連写撮影に対するストレスがまるでないのだ。
つい先日、我が子の運動会での撮影でPERGEAR CFexpress TypeAを使用した。この日は幼稚園の役員カメラマンとして、我が子だけではなく同クラスの全員の徒競走の様子をしっかりと収める必要があった。
あらかじめ設定した置きピンに対して連写シャッターを切るだけではあるが、SDカードを使用していた際に抱えていた連写への不安を気にすることなく撮影に集中できるのは、CFexpressカードの恩恵そのものだと感じた。
写真や動画データの取り込みが早い
CFexpressカードは撮影時のみだけではなく、PCへのデータ取り込み時においても良い影響を与えてくれる。
実際にPERGEAR CFexpress TypeAと約3千円のSDカード(最大転送速度 100MB/s)それぞれについてスピードテストを実施したところ、(当たり前ではあるが)PERGEAR CFexpress TypeAの地力の差分がハッキリと出た。
PERGEAR CFexpress TypeA
SDカード UHS-I V30
写真編集においては、ソフト内部のプレビュー作成に時間がかかるため、実際に転送速度が倍になれば作業開始までの所要時間が半分になることはない。
とは言え、1000枚以上の撮影データを一気に読み込む際には、データサイズが数十GBを超えることから、データ転送が完了するまでの所要時間が作業開始までのタイムラグに大きく影響する。
また、動画編集においては、動画データが完全にPCに取り込まれるまでは書き込みができないといったシーンにしばしば遭遇する。
PERGEAR CFexpress TypeAを使えば、操作したいタイミングにおいて操作できないストレスを、圧倒的な転送速度で解消してくれる。
現像ソフトでのプレビューがサクサク。写真選定時のストレスを全く感じない
SDカードから写真を取り込む際に、現像ソフトでのプレビューがモッサリとして写真選別時にストレスを感じたことがある方は少なくないと思う。
これに対して、PERGEAR CFexpress TypeAでは、プレビュー表示が遅滞なく表示されることから非常に快適だ。
実際に以下はAdobe Lightroom ClassicにてSDカードとCFexpressカードによるプレビュー表示の様子を比較したものだ。
実はSDカードはJPEG、CFexpressカードはRAWデータと後者の方がより重いデータを扱っている。それでもCFexpressカードでは、タイムラグをほぼ感じることがないほどに高速に表示できることが分かるかと思う。
PCへのデータ取り込み時にUSBポートを占有する点は妥協が必要
これはすべてのCFexpressカードに言えることだが、専用のカードリーダーが必要となるため、貴重なPCのUSBポートを占有してしまう点は運用面において課題に感じる点だった。
僕は普段、iMacにてデータ管理や写真編集を行っているのだが、背面にあるUSBポートに対して毎度抜き差しをするのはあまりにも億劫すぎる。
そこでSatechiのUSBハブを設置してSDカードの読み込みを行っているのだが、ここにPERGEAR CFexpressカードリーダーを接続する場合は、読み書き速度が落ちてしまう(それでも読み書き300MB/秒程度は出るのだが)。
若干の不満点はあれど、写真の転送自体がそもそも数秒・数十秒で終わる作業ではないこともあり、多少時間が増える程度と割り切って運用している。
これを差し引いても余りあるほどに撮影時やプレビューの快適さはCFexpressカードを導入して良かったと感じさせてくれた。
歴史は浅いが評判も上々。コスパ重視CFexpressカードという新たな選択肢
今回は長年混沌としていたCFexpress TypeAの相場に一石を投じたPERGEAR CFexpress TypeAについてレビューを行った。
カード+リーダー付きで3万円以下で購入できるコスパの高さと、遅延ストレスから解放してくれる確かな性能を十分に感じされてくれる。
使って感じた点まとめ
- バッファ滞留要因で連写が遅延することがなく、安心して連写を活用することができる。
- 現像ソフトでのプレビューがサクサクで、写真選定時のストレスを全く感じない。
- 廉価な価格に対して欠点らしき点を感じることは無く、何ら不満なく使用できる。
- 専用リーダーが必要。PCのUSBポートを1つ占有する点は妥協が必要。
発売から間もないこともあり、長期使用時の安定性は評価しかねる部分が残るものの、Amazonのレビュー等からユーザーの評判を見ても十分な使用感が発揮されていることが伺える。
これまで価格がネックでCFexpressカードを買い控えていた方には、頼もしい選択肢になること間違いなしのプロダクトであるため、ぜひ一度手に取ってもらいたい。